「意味」をもつ絵に魅力が宿るという説。
「意味」の定義
広義的には「テーマ性」だが、テーマとは多義的なものである。動きとしては「伝わる絵」ということになる。
たとえば、版権キャラ絵がウケるのは版権それ自体が意味を内包しているからなんだという説明がつけられる。伝わる絵がウケるし、伝わらなければ置いてけぼりにされた気がしてしまうからウケない。
逆に言うと、意味さえあれば版権だろうが一次だろうがウケるものはウケる。
意味理論で大きくウケた例として車椅子の宗教画がある。
画力自体はさほど高くないのだが、テーマ性がすさまじく、かつそれが大衆的に伝わったためバズとなった。
意味のもたせ方
まず前提として描く段階で何らかの意味を込めるぞ、という意識的なはたらきが必要。偶然テーマ性らしきものが伝わる、みたいなのではダメだ。
意味を込めていない絵には、伝達もなにもない。畢竟芸術もコミュニケーションである。
・意味ない絵はとりあえず意味になりそうな要素を散らばらせて「意味あれ~!(勝手に生まれろ~!)」という消極的な発生に転嫁しており、自分で生み出そうとしていない
・情報量理論と関係がある場合がある
一番ファジーでしかしわかりやすいのはやっぱり「気持ちを込めて描くか否か」かと。
練習法
「この絵にはどういう意味がある?」と問われて説明できる絵を描くこと。
自分で描いた絵にそれができないとキビしい。意味がない、ということになる。
たとえば先程の意味バフの好例である車椅子の絵なら、「どういう意味がある?」についての評論が可能である。
表層(事実, 目に見える要素)
くたびれきった男性が2次元の少女たちに優しい眼差しで囲まれている。
伝達心情
身体的・精神的に疲弊した男性が、アニメや漫画といった虚構の創作物で現実の悲哀を癒そうとする現代社会の病みに言及している。